私の大好きな漢方薬シリーズ1 補中益気湯
2025.09.29
漢方薬には体力が低下して元気がない時にそれを補うためのお薬があります。
その代表的なものが補中益気湯(ほちゅうえっきとう)で、ご高齢の方の食欲不振や倦怠感に使われることが多いお薬です。

お若い方でも風邪などの病気のあとに食欲が出ず、だるさが残るような時に飲むと効果的です。イメージとしては養命酒のようなお薬ですね。このお薬には免疫力を高める作用もあるため、風邪をひきにくくなるという嬉しいオマケもあります。実は私の診察室の机の中には補中益気湯がいつも入っていて、冬のインフルエンザの季節にちょっと疲れたと感じたらすぐに飲むようにしています。おかげで患者さんからの感染はここ最近はありません。
補中益気湯のもう1つユニークな作用は肛門括約筋を引き締めてくれることです。痔が悪化していわゆる脱肛の状態になっている方にこの薬を飲んでいただくと、肛門が引き締まり脱肛が改善します。
副作用は少ない薬ですが、まれに血液中のカリウムが低下することがあるため、長く飲む場合にはたまに血液検査をしておけば安心です。
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