「苦しくない胃カメラ」麻酔を使った安心の胃内視鏡検査
2025.09.10
胃カメラが「苦しい・つらい」と感じる理由
こんにちは、院長の清水です。
「胃カメラは苦しいのでは?」「つらくてもう受けたくない」、そんな声をこれまで何度も耳にしてきました。
胃内視鏡検査(胃カメラ)とは、先端にCCD(超小型カメラ)が付いた細い内視鏡を口や鼻から挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察する検査です。医師がリアルタイムで映像を確認しながら、炎症・潰瘍・ポリープ・がんなどの異常を詳しく調べることができます。また必要に応じて、検査中に組織の一部を採取する「生検」や、ピロリ菌の有無を調べる検査も同時に行えます。
ただし、内視鏡が喉を通る際に嘔吐反射や不快感を感じる方も多く、それが「胃カメラ=苦しい」という印象につながっています。そこで当院では、鎮静剤(麻酔)を用いることで不快感を軽減し、安心して検査を受けていただける環境を整えています。
今回はその取り組みと、私たちの思いをお伝えします。

なぜ胃カメラ検査が必要なのか?
「症状がないから大丈夫」と思っていませんか?じつは、胃がん・食道がんなどの病気は、初期にはほとんど症状が出ません。違和感を覚えた頃には、すでに進行しているケースも少なくないのです。
特に、ピロリ菌による慢性胃炎は、胃がんのリスクを高める要因として知られています。こうした病気を早期に見つけるには、胃内視鏡検査が最も有効です。
バリウム検査は手軽ですが、異常が見つかれば胃カメラによる精密検査が必要になります。胃内視鏡検査では粘膜を直接観察でき、その発見率はバリウム検査の約3倍ともいわれています。
胃カメラで発見できる病気
胃内視鏡検査では、以下の病気を早期に発見することが可能です。
・胃がん・食道がん・十二指腸がんなどの消化管の悪性腫瘍
・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
・逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニア
・慢性胃炎(ピロリ菌感染を含む)
・胃ポリープ・腺腫
・胃粘膜下腫瘍(GISTなど)
これらの疾患は、早期であれば治療の選択肢も広がり、予後も大きく改善されます。定期的な検査によって、無症状のうちに異常を発見することが、健康維持のカギになります。
更水医院が「苦しくない検査」にこだわる理由
じつは私自身、胃カメラが苦手でした。以前受けた検査がとてもつらく、「こんな思いを患者さんにさせたくない」と強く感じました。
そこで、鎮静剤を使った内視鏡検査を行っている医療機関を調べ、駒ヶ根市の昭和伊南総合病院を訪問。堀内朗先生の検査を見学し、実際に自分でも体験しました。寝ている間に検査が終わり、これが驚くほど楽だったのです。
この経験をきっかけに、上水内医師会の勉強会にも堀内先生をお招きし、当院での導入を決めました。
実際の検査の流れと安全性
鎮静剤を使った検査は、リスク管理や設備面の課題から、まだ一般的ではありません。
当院では、麻酔薬「プロポフォール」を使用し、安全性を確保した体制を整えています。
プロポフォールは作用が早く、検査後の回復もスムーズです。リカバリールームで1時間ほど休めば、車の運転も可能です。安全性については、堀内先生によるドライブシミュレーターでの実験で検証されています。
これまでに当院での副作用による事故はなく、患者さんからも「気がついたら終わっていた」「とても楽に受けられた」と好評です。なお、プロポフォールは保険適用外ですが、保険診療では当院が負担しています。
こんな方に胃カメラをおすすめします
・胃もたれ・胸やけなどの不調が続いている方
・胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往歴がある方
・ピロリ菌に感染したことがある方
・ご家族に胃がんの既往がある方
・健康診断で異常を指摘された方
・40歳以上の方
検査の流れと安心のサポート体制
検査当日は、受付後に問診と説明を行います。患者さんの体調や既往歴を確認し、麻酔の注意点についても丁寧にご案内します。
その後、鎮静剤を静脈から投与し、眠っている間に検査を行います。検査時間は10分程度で、苦痛を感じることなく終了します。
検査後はリカバリールームで約1時間ほど休んでいただき、麻酔の効果が切れてから、内視鏡画像を一緒に確認しながら結果をご説明します。
胃カメラ検査は、当院にご相談ください
胃内視鏡検査は「苦しい」「つらい」というイメージが先行し、どうしても検査を先送りにしがちです。しかし、大切なのは、症状がないうちから検査を受け、病気の芽を早期に見つけることです。
更水医院では、初めての方でも安心して検査を受けられるよう、スタッフ一同、丁寧にサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。
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