私の大好きな漢方薬シリーズ10 小建中湯
2026.01.07
お腹の不調に寄り添う漢方薬
今回ご紹介するのは、漢方薬の中では珍しい甘くて飲みやすい「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」です。大人の過敏性腸症候群に使われる桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)と構成が似ており、膠飴(こうい-水飴のこと)を加えている点が特徴です。

この薬は、腹痛や下痢をしやすい虚弱な子どもの体質改善や夜泣き、おねしょにも使われます。小建中湯が適するのは、お腹にピンと腹直筋が目立つような痩せ型で、大人でもこのタイプの方には効果が期待できます。
胃の不調を繰り返していた30代女性のケース

30代女性で元々食が細い痩せ型の患者さんが当院を受診しました。この方は時々胃の不調を自覚していましたが、胃カメラなどの検査で異常はみられませんでした。
ある時、自分のお誕生日にケーキをたくさん食べた後から1カ月近く腹痛、胃もたれ、食欲低下が続いていると相談されました。診察すると腹直筋が目立つタイプで、この方には小建中湯が合うだろうと私は直感しました。
次の外来でお話を聞くと、小建中湯を飲んだ翌日から長年の不調が嘘のように胃の具合が良くなったそうです。その後も朝1包の内服を続けておられ、先日の診察で最近の様子を聞いたところ、「この薬を飲んでいれば無敵です!」と良い笑顔が返ってきました。
漢方薬は一般的にはゆっくりと効くイメージがありますが、その方の体質にお薬が合った時にはこのように劇的に効くことがあり、その威力に驚かされます。
一方で、漢方薬は天然の生薬を使用していますが、副作用がないわけではありません。そのため、服用する際には、体質を丁寧に見極めることが大切です。お困りの時は当院にご相談ください。
詳細はこちら ▶当院の漢方薬治療について
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