私の大好きな漢方薬シリーズ12 桂枝湯
2026.02.04
虚弱タイプの風邪症状に
風邪の初期に使う漢方薬には葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう)が有名ですが、今回はあまりメジャーではないものの、とても重要なお薬である「桂枝湯(けいしとう)」をご紹介したいと思います。

葛根湯や麻黄湯は風邪やインフルエンザの初期にまだ汗が出ておらず、寒気がある時に体を温めて発汗させるお薬です。葛根湯は体力が普通の方、麻黄湯は体力がより強い方に使われます。
一方、桂枝湯は虚弱なタイプで、軽い風邪の初期からすでにじんわりと発汗している場合に使うと、程よく発汗させて症状を改善させるお薬です。そしてこのお薬が効く方の舌を見ると、つるっとしていて苔がない(もしくは薄い)という特徴があります。

自分に合った漢方薬を見つける
桂枝湯は本来さほど強力な風邪薬ではありませんが、このお薬が合うタイプの方には時に魔法のように劇的に効いてくれます。そしてこのタイプの方には、桂枝湯を基本として作られた他の漢方薬(桂枝湯グループと呼びます)もよく効いてくれます。
当院の外来を受診したある方が、処方した漢方薬がどれも劇的に効くことに驚かれ、「どうして先生は私のことがわかるのですか?」と質問されたことがあります。タネを明かせば、この方は典型的な桂枝湯のタイプだったからで、桂枝湯グループのお薬は当然ながらよく効いてくれたのです。
漢方薬の面白いところは、その方の体質にお薬が合った時には劇的に効く一方で、違う方には必ずしも効くとは限らないということです。自分に合った漢方薬を見つけることは簡単ではありませんが、当院がそのお手伝いをできればこんなに嬉しいことはありません。いつでもお気軽にご相談ください。
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