私の大好きな漢方薬シリーズ14 柴胡桂枝湯

漢方薬

2026.03.31

ストレスで胃が痛くなったことはありませんか?

今回は、私が以前に長野市内の総合病院で消化器内科医として勤務していた際、その効果に驚き、漢方薬に興味を持つきっかけとなった「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」をご紹介します。

 

皆さまは「機能性ディスペプシア」という病名を聞いたことがあるでしょうか。胃の不快な症状があるにもかかわらず、内視鏡などの検査では明らかな異常が見つからない状態を指し、消化器内科ではこのような患者さんが多くいらっしゃいます。かつては「神経性胃炎」などと呼ばれていたものが、近年この病名に統一されました。ストレスの多い日本人では、実に4人に1人が何らかの症状を抱えているとも言われています。

 

機能性ディスペプシアの症状は、大きく次の2つのタイプに分けられますが、両者が混在することもあります。

①食後の胃もたれや膨満感が目立つタイプ
②みぞおちの痛みが中心となるタイプ

 

特に②の痛みのタイプは、検査で異常がないことを確認したうえで、通常は胃酸分泌を抑える薬を使用します。しかし、それだけでは十分に改善しない場合に、柴胡桂枝湯が劇的に効果を示すことがあります。

 

この薬に含まれる生薬のうち、「柴胡」と「芍薬」の組み合わせには自律神経を整える作用があり、ストレスなどで乱れたバランスを改善します。また、「柴胡」と「黄芩」の組み合わせには抗炎症作用があり、風邪が長引いて胃腸症状が出てきた場合にも適しています。さらに、免疫調整作用もあるため、小児のアレルギー疾患などの体質改善にも用いられます。

 

注意すべき副作用としては、「甘草」による偽アルドステロン症(むくみ、血圧上昇、低カリウム血症)のほか、発疹、まれに間質性肺炎などが報告されています。

 

更水医院では、患者さんお一人おひとりの体質や状態を丁寧に見極めながら、漢方薬を処方しています。長年の胃の不調でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください
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コラム執筆

更水医院院長 清水慎介

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