「内視鏡検査はどこまで楽にできるか?」 その2 プロポフォールによる鎮静について

2025.09.15

内視鏡検査を楽にするために麻酔薬の静脈注射による鎮静をすることがあり、一般的にはジアゼパムやミダゾラムなどのベンゾジアゼピン系薬剤がよく使われています。しかしこれらの薬はしばらく眠気が残るため、帰りの車の運転は危険が伴います。

 

 

プロポフォールは全身麻酔に使われる薬ですが、欧米では内視鏡検査の鎮静にも広く使われています。この薬の利点は効果が早く、切れも早いこと。駒ヶ根市の昭和伊南総合病院の堀内朗先生がプロポフォールを投与して1時間後の運転機能を実際にドライブシュミレーターで検証したところ、30例全てが投与前のレベルまで回復していました。

 

この結果によりプロポフォールを使った場合、車で来院されても検査後1時間経てば安心して運転して帰って頂けることが証明されました。また麻酔薬に共通した副作用に呼吸抑制がありますが、堀内先生によれば内視鏡検査約64000例にプロポフォールを使用して換気バッグや気管内挿管を必要とした例は1人もいなかったとのこと。現在当院では昭和伊南総合病院の使用法と同じ方法でプロポフォールを内視鏡検査に使用しています。また検査中は心拍数と酸素飽和度をチェックすると同時に実際の患者さんの呼吸状態を常に観察して安全な内視鏡検査を行っています。

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