私の大好きな漢方薬シリーズ7 抑肝散加陳皮半夏
2025.11.10
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)は江戸時代に日本で作られた漢方薬です。前回ご紹介した抑肝散に陳皮と半夏(二陳湯)が加わったもので、保険病名も神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症でほとんど抑肝散と同じです。

中国大陸の乾いた環境で作られた抑肝散を日本の多湿の風土に合わせて改良したとも言われていますが、この2つの薬の使い分けにはちょっとしたコツがあります。
抑肝散の方はより怒りっぽく、外に向く怒りに使います。一方で抑肝散加陳皮半夏の方は内に向く怒りに対して使います。つらい目にあって心身が衰弱している、いつも周囲からいじめられていると感じてへとへとになっている人、怒りを適切に言語化できずにイライラして心の中に強い怒りを抱えている人に合うお薬です。
お腹を触るとドキドキと拍動を触れたり、腹直筋が緊張している人にはかなりの高確率で効果が期待できます。
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