私の大好きな漢方薬シリーズ15 清心蓮子飲

漢方薬

2026.06.02

頻尿や残尿感、排尿時の違和感が続く病態に

「何度もトイレに行きたくなるし、排尿時に不快な痛みや残尿感がある。これは膀胱炎に違いない!」

 

そう思って医療機関を受診し、尿検査をしたものの、「菌はありませんでした。きれいな尿ですね」と言われて困惑した経験はありませんか?
実は、細菌感染がないにもかかわらず、頻尿や残尿感、排尿時の違和感が続く病態があります。一般に「無菌性膀胱炎」などと呼ばれる状態です。抗生物質が効かないため、通常の治療では改善しにくい、やっかいな病態です。

 

今回は、このような時に効果を発揮する漢方薬「清心蓮子飲(せいしんれんしいん)」をご紹介します。

 

無菌性膀胱炎の原因と漢方の考え方

漢方の考え方では、過労やストレス、寝不足などが原因で、自律神経や精神活動を司る「心(しん)」という場所に熱(興奮や炎症のもと)がこもるとされています。そしてこの熱は、小腸を経由して膀胱へと流れ落ちると考えます。熱が泌尿器にたまると、細菌がいなくても膀胱の粘膜が過敏になり、頻尿や残尿感、不快感を引き起こしてしまうのです。

 

清心蓮子飲は、 「もともと体力がそれほどなく、疲れやすいタイプの方」に向いています。「ストレスが溜まったり、寝不足になったりすると、決まってトイレが近くなる」という方には、まさにぴったりの処方です。

 

あまり知られていませんが、このお薬が役立つもう一つの病気に、難治性の口内炎があります。「心」の熱が顔へと上がると、口腔内の粘膜を乾燥させて炎症を起こし、「なかなか治らない、繰り返す口内炎」の原因になります。

 

この処方は、主に3つのアプローチで体を整えていきます。

 

1 「心」の熱を冷ます
ストレスや神経の興奮を鎮め、過剰な熱を取り除きます。

 

2 尿と一緒に熱を追い出す
軽い利尿作用によって、膀胱にこもった熱を尿とともに体外へ排泄し、粘膜の過敏な状態を鎮めます。

 

3 元気を補い、粘膜を潤す
疲れた体を内側から立て直し、乾燥した口の中や傷ついた膀胱の粘膜に潤いを与えて、修復・予防を促します。

 

体質から整える漢方治療のすすめ

「尿検査で菌がいない」と言われると、「気のせいなのかな…」と一人で抱え込んでしまう方もいらっしゃいます。しかし、それは決して気のせいではなく、自律神経の乱れや疲れが、膀胱や口の粘膜のSOSとして現れている状態です。

 

漢方は、検査数値には現れにくい「なんとなく続く不調」に対して、体質そのものを整えていくのが得意です。

 

慢性的な尿の違和感や、繰り返す口内の痛みにお悩みの方は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。あなたの体質に合った処方を、ていねいにご提案します。

コラム執筆

更水医院院長 清水慎介

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