私の大好きな漢方薬シリーズ16 清暑益気湯

漢方薬

2026.07.22

本格的な夏を迎え、厳しい暑さが続いています。当院のある長野市では、昔では考えられないほど暑い日がこの頃は当たり前になってきました。当院の患者さんにも「朝から体が重い」「食欲がない」「何をするにもやる気が出ない」など、夏バテを感じている方が目立ってきています。

 

今回は、そんな時期に活躍する漢方薬 「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」 をご紹介します。

 

「清暑」は体にこもった暑さを取り除くこと、「益気」は暑さで消耗した元気を補うことを意味します。つまり、体を冷ますだけではなく、暑さで弱った体力や胃腸の働きを立て直すための漢方です。

 

配合されている生薬も、それぞれがきちんと役割を持っています。人参や黄耆が消耗したエネルギーを補い、白朮や陳皮が弱った胃腸を助けて食欲を回復させ、麦門冬や五味子が汗で失われやすい水分を保って口の渇きを和らげます。「毎年この時期になると調子が悪くなる」という方には、とても頼りになる一剤です。

 

「補中益気湯」との違い・どんな症状におすすめ?

よく「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)との違いは何ですか?」と聞かれます。補中益気湯も体力を補う代表的な漢方ですが、冷房で体が冷えて疲れているような方に向いています。一方、汗をたくさんかく、口が渇く、暑さでぐったりする、そんな「夏らしい疲れ方」には、清暑益気湯のほうが力を発揮します。いわば、補中益気湯の「夏バージョン」と考えると分かりやすいでしょう。朝から疲れが抜けない、あっさりしたものしか食べられない、寝汗をかく、お腹がゆるくなりやすい、そんな症状がある方は、この漢方が効く可能性があります。


 

一方で、炎天下で突然ぐったりし、意識がぼんやりする、高熱や激しい喉の渇きがあるような急性の熱中症では、清暑益気湯だけでは対応できません。その場合は、体を冷やして水分・塩分を速やかに補給し、必要に応じて医療機関を受診してください。

 

夏を元気に乗り切るために、早めのご相談を

清暑益気湯は、症状が強くなってから飲むのではなく、夏の間に続けて服用することで力を発揮する漢方薬です。「夏になると決まって体重が落ちる」「夏が苦手で毎年つらい」。そんな方は、我慢せずに今年は早めに対策を始めてみませんか。外来でお気軽にご相談ください。

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コラム執筆

更水医院院長 清水慎介

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