大腸カメラは何年ごとに受けたらよいのか?

内視鏡検査

2026.09.14

「大腸カメラって、毎年受けたほうがいいんですか?」診察室でよく聞かれる質問です。結論からいうと、前回の大腸カメラで異常がなく、大腸全体をしっかり観察できていれば、毎年受ける必要はありません。では、次はいつ受ければいいのでしょうか。実は、大腸カメラの間隔は一律に決まっているわけではありません。前回ポリープがあったのか、何個あったのか、大きさや病理結果はどうだったのかによって変わってきます。

 

異常がなければ、次は5年後がひとつの目安

大腸がんの多くは、腺腫と呼ばれる良性のポリープが少しずつ大きくなり、その一部ががん化することで発生します。こうした変化には、通常ある程度の時間がかかります。そのため、前回の大腸カメラで大腸の奥まで十分に観察でき、ポリープなどの腫瘍性病変がなかった場合、翌年にもう一度検査をする必要性は高くありません。現在の日本のガイドラインでは、異常がなければ5年後の大腸カメラがひとつの目安とされています。

 

ポリープを取った場合は?

ポリープを切除した場合は、その数や大きさ、病理結果によって次回の検査時期が変わります。おおまかな目安は次の通りです。

 

前回の検査結果 次回の大腸カメラの目安
腫瘍性病変なし 5年後
10mm未満の低リスク
腺腫が1〜2個
3〜5年後
低リスク腺腫が3〜9個 3年後
10mm以上の腺腫、
がんに近い病変、
多数の腺腫など
1〜3年後

ただし、これはあくまで目安です。同じ「ポリープを取った」という場合でも、大きさや組織の種類、切除方法などによって次回の時期は変わります。また、前回の検査で便が残っていて十分に観察できなかった場合などは、もっと早く再検査することもあります。

 

「毎年受ければ、もっと安心」とは限りません

「でも、毎年受けたほうが安心なのでは?」そう思われる方もいらっしゃるでしょう。大腸カメラは大腸がんの早期発見だけでなく、がんになる前のポリープを見つけて切除できる、とても有用な検査です。一方で、頻度は非常に低いものの、出血や穿孔などの偶発症もゼロではありません。ですから、自分のリスクに合った間隔で、質の高い大腸カメラを受けることが大切です。

 

実は、海外ではもっと間隔が長い

実は欧米では日本よりも長い検査間隔が推奨されています。例えば米国では、質の高い大腸カメラで異常がなければ次は10年後、小さな低リスクの腺腫が1〜2個だけなら7〜10年後という基準があります。日本では、大腸がんの特徴や内視鏡検査の状況などを考慮して、これより短い間隔が推奨されています。それでも、「大腸カメラは毎年受けたほうがいい」という考え方は、国内外のガイドラインを見ても一般的ではありません。

 

ただし、症状があれば話は別です

ここはとても大切です。「次は5年後と言われたから、5年間は大丈夫」という意味ではありません。血便が出た、便が急に細くなった、便秘や下痢が続く、原因のはっきりしない貧血が見つかった。こうした変化があれば、次回の予定を待たずに受診してください。また、ご家族に大腸がんになった方がいる場合や、潰瘍性大腸炎などの持病がある場合、大腸がんの治療歴がある場合などは、一般的な検査間隔とは別に考える必要があります。

 

大切なのは「毎年」ではなく「自分に合った間隔」

大腸カメラは、単純に毎年受ければよい検査ではありません。といっても、ポリープを切除したあとに検査を全く受けないのも問題です。大切なのは、前回の検査結果をもとに、自分に合ったタイミングで次の大腸カメラを受けること。「前回から3年たったけれど、そろそろ受けたほうがいい?」「ポリープを取ったけれど、次はいつ?」迷ったときは、前回の検査結果を確認したうえで当院にご相談ください。

 

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コラム執筆

更水医院院長 清水慎介

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